2019年07月23日

『天気の子』雑感

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『天気の子』を観てきました。

1.PVいいよね

スパイダーマンFFH前の予告でこのPVを見かけて、初日に行っちゃお〜〜〜と思うほどに良いPVでした。
劇中歌「グランドエスケープ」かかってるところのアゲアゲムードは『君の名は。』以上の好印象で、
すこしふしぎな作風がとにかく楽しそう。
途中から拳銃が見えて「ん?」となるが…。

(以下、ネタバレあり)




2.ギミック
今回のメイントピックは以下の2点です。
(1) 「頭のよくない」選択を…

(2) 出店のための祭りのような作品



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(1) 「頭のよくない」
 映研メンバーで作品の短評を書いたりしているのですが、出だしだけ書いてほっといたら「辛辣」と言われてしまいました(そらそう)
これだとただの罵倒になってしまうので、言い方を変えるとスマートでないとか、「反スマート」とでも言うべきか…言葉選び…。


◎リアル路線とお金と、「頭のよくない」意思決定
本作は、現代の新宿・田端を中心としたリアルな都会が舞台です。
『君の名は。』でも新宿が舞台ですが、それと隣り合わせで 架空の町である糸守町が出てきていたこともあり、
本作は『君の名は。』よりもリアルな都会と密接した物語と感じさせてくれます。そこにSFがやってくる。


また、リアルさを感じさせる上で非常に大きな要素は、お金です。やたらとお金が物語に絡みます。

例えば最初に出てくるのはフェリー上のビール(900円)でした。
地上ではなくフェリーでの価格設定で、飲酒をしなくても埒外な価格であることはわかると思います。
ぼったくりでも、前もって持ち込んでいるわけはないし、恩を返すにはそのビールを奢らない手はないわけで、結果として「頭のよくない」選択をするワンシーンが最序盤に広げられます

このような価格設定と意思決定のシーンは、本作で頻繁に登場します。
一番わかりやすいのは「お天気」の価格で、当初は5000→3400とブレながら決めていたけど、初めての現場では気前よく2万円をもらい、そこからは人によってバラバラに報酬をもらっていきます。
アップテンポな展開とともに「人々にとって天気はどれほどの価値か?」「どれだけのお礼を出せるか?」が自由気ままに決まっていく様子は、
モノの価値が当然律して決められているリアルな現代世界から少し外れた、でもどこか心地よい雰囲気を生み出していると感じました

あと、逃避行パートでは、お金の問題とともに一晩過ごす場所について問題が生じます。
異常気象が発生している状況でどうしても一晩を過ごさなければいけない。
ラブホテルの標準価格など知らなくても、普通のホテルでNGを喰らってしまった以上選択肢がなくなり、意思決定をする。
そこで高いレンチン飯を買ってみたり…。

「頭のよくない」選択は自然状態からそう決まってしまうのではなく、感情・状況によって大きく左右している様が本作全体を通して描かれていて、もっとも身近でわかりやすい金銭についてが特に多くピックアップされているのかな、と思います。
ヒロインの陽菜が高収入アルバイトをはじめようとするところが大きな出会いのシーンでもありましたね。


意思決定は金銭だけではありません。
例えば、スガさん(CV小栗旬)が、窓の外に水が見えているのに、窓を開けて案の定浸水してしまう…なんてシーンがありました。
当然そうなるのになぜそんなことをしてしまうのか…という、これも「頭のよくない」行動です。しかし、トラブルを経てうなだれている状態だからこそ選択してしまった行動だから、見ていてもそこまでストレスを抱かなかったのではないでしょうか?
また、お天気業を連続で行うことで陽菜さんが何らかのリスクを負うことはないのか…?と考えてしまうところを、浮かれた気分でスルーしてしまう…のもまた、感情や状況に伴う鈍さなのかなと。


そんなこんなでリアルな舞台で「頭のよくない」選択をしていき(しなければならなくなり)、SFと付き合っていく物語だったのかなと思います。
『ペンギン・ハイウェイ』では主人公のアオヤマ少年が本当に賢く科学的であるためにこの要素は存在せず、同じSFジャンルでも違った印象を受けました。
選択という意味では、ノベルゲーム的な印象を抱く方も多いのかなと思います。



(2) 出店のための祭りのような作品
 本作はタイアップや新海誠シリーズのキャラ登場などがふんだんに盛り込まれており、物語よりもそちらに気を取られてしまうかもしれません。さながら出店ばかり気になってしまうお祭りのような。
 『天気の子』公開記念で地上波放送された『君の名は。』放映中のCMの気合の入れようは本当に凄く、本作も同様のエンターテイメントを期待してしまいます。来年のこの時期に放映されるのが確約されているかのような作品でした(笑)。

…それで、問題としては「劇場で観る意味があるのか?」という疑問を強く感じました。
もはや地上波(やネット中継とか)でリアルタイムに複数人で楽しむほうが明らかに向いている作品でした。
そりゃ劇場で観たほうが画や音はよくなるとは思いますが…それ以上のエンターテイメント性を本作は持っていると思います。
アニメでいうと「ポプテピピック」や「アイドルマスターシンデレラガールズ」が該当します。

限定的に鑑賞する劇場での公開以後は、ネタバレをひた隠しにするよりも、魅力や楽しみ方を広く伝えることが、作品への楽しみ方(同じこと2回言ってるが誤字ではない)と思います。




3.で、中身はどうだったの?
 面白くなかったです。

「グランドエスケープ」まで来るまでの序盤が微妙に長かったためブチ上がれなかったのが最大の痛手でした。

それと、逃避行シーンがそもそも舞台をリアルな世界に限定してしまっているため、風呂敷を広げることができないジレンマを抱きながら終わってしまったような印象を受けました
これについては、『打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?』では逃避行に際して『瑠璃色の地球』を歌い異様な空間へ連れていく…(が、こんなものは幻想であると諦めがついている)シーンがありますが、今更になってこのシーンは本当に必要だったんだな…と気づきを得ました。ありがとう天気の子…

また、上記の「頭のよくない」というギミックを考慮しても、警察の行動などはなんか微妙だなあと思いました。
相手側もそんなに賢く動いてくれないので、本作はパワプロクンポケットではなく天気の子なのかなと思います。



4.まとめ
 なじみやすく複雑でもなく地上波放送で大いに盛り上がれる作品に仕上がっているというのが総括です。
テレビなら適当に「グランドエスケープ」まで見て切り上げることもできるし、お父さん犬探しとかも存分に楽しめる!
イヤミのない良質なコンテンツが今後も繰り広げられると考えると、世間のアニメに対する印象もどんどん上がっていくのかなと感じました。











…本当にそれでいいのか?
(おわり)
posted by よしえ at 21:17 | Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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